べたれば

better late than never→略してべたれば。5年間引きこもった末にようやく社会復帰した発達障害(ADHD)持ち。「遅くても何もやらないよりマシ」をモットーに、社会復帰までの経緯や興味関心、今考えていることなどを書いていきます。

もし友達と呼べるような人がいるのなら大事にしよう

何年ぶりだろうか。

僕の人生に最も影響を与えた人物の一人といってもいい友人との再会は。

 

僕は5年間引きこもった。

その前は音楽が好きだったし楽器屋で働いていた。

その頃に彼とは知り合った。

 

僕が引きこもってすぐだったか1年後だったか。
詳しくは覚えていないが、彼から結婚式の招待状が届いた。

僕は勿論行くよ、約束すると返事を書いた。

ブランキージェットシティの「ディズニーランドへ」の歌詞にあるような感じで。

 

でも僕は行かなかった。

それ以来彼とは疎遠になっていた。

まあ、彼のみならず、それ以外の全ての交友関係はその時途絶えていたのだけれど。

 

ついひと月前だろうか。
彼に連絡を取った。

「元気か」と。

「元気だ」と彼は言った。

 

飲みに行こうという話になった。

そして今日久しぶりに飲みに行った。

 

ひきこもった5年プラス1~2年くらいだから6~7年くらいぶりに会うとあって、僕は少しばかり緊張していた。
例えは悪いが、ネットで知り合った女の子に初めて会うような気持ちに似たような気分だったと思う。(そんな経験はないけれども)

しかし、実際に会って話してみると昔と何ら変わりのない話で盛り上がれた。

 

27歳で死ねなかった俺たちは伝説じゃなかったとか、でもカート・コバーンは死んでなかったらここまで神格化されなかったとか、主に音楽の話で盛り上がるわけである。

ここまで音楽について気兼ねなく人と語り合ったのは久しぶりだ。

普通に生きていると人と音楽について真剣に話し合うこともまあないのである。

 

別に普段音楽について語り合う相手がいないことが悪いことだとは思わない。
アイドルが好きな人、漫画が好きな人、アニメが好きな人、ロッククライミングが好きな人、バラエティが好きな人、猫が好きな人、世界のチーズに詳しい人、ワインが好きな人。

様々な趣味嗜好を持った人々で社会は成り立っているわけである。
だから共通の趣味を持っているということの方が珍しいわけである。

 

その中で、お互いに音楽が好きで、且つ多種多様なジャンルの中から、似たようなものが好きな人物と膝を突き合わせて語り合えるということが、これほどまでに素晴らしいことだったのかと思わされたのだ。

そういった話ができる友人との再会はとてもかけがえのないものだと思えたし、結婚式をドタキャンしたにもかかわらず昔と変わらずお互いに気取らないまま話し合えたという事実に僕は今感動しているのである。

 

実際に顔を合わせる前は、今の自分がどんなに苦労しているかとか、どうやってひきこもりから立ち直ったかとか,ADHDでつらいとか聞いてほしいという気持ちが少なからずあったのだが、そういった話は一切しなかった。

する必要がなかった。

僕がいて、彼がいる。
お互いが話したいことを話す。

それだけで十分だった。

 

そう思える人物と人生で何人出会えることがあるだろうか。
幸いにして僕にはそういった人々が複数人いる。

終電で帰宅し、帰り道、自分のような何の取り柄もない人間に、なぜこうも素晴らしい人々が優しくしてくれるのだろうかと、涙が頬をつたいそうになった。

 

とても良い夜だった。
友達は大切にしよう。
彼らの幸せを願おう。

 

そう思えるだけで、僕はすごく幸せな人間なのだなと思うのです。

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